2012年3月28日水曜日

センターオブジアース


テレビの洋画劇場で観賞した。
ジューヌベルヌの「地底旅行」のリメイク。
リメイク?
どこが? アイスランドから入ってシチリアから出て来る以外は、原作の面影は影も形もないんじゃない?
3D映像の新機軸がどうのこうのらしいが……
ともかく、話としては一服の清涼剤以外には話すものがない。
だいたい、こういう話はご都合主義にならざるを得ないが、ご都合主義過ぎる。
アメリカ人はそんなに本番に強いのか。

あまり、SFを活劇にするな。
アクション映画を作るのに、SFはよい題材かもしれない。しかし、あまり原作の香りを壊してしまうのはどうか……

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2012年3月27日火曜日

ウルトラセブン シリーズ


このシリーズを観返している。
このシリーズは、よく観てみるとSFテイストに溢れている。
今の目で観てしまうと確かに特撮はダサイし、子供番組なので最後はヒーロー(ウルトラセブン)が登場して星人や怪獣を退治する。
こうしないと、視聴者が納得しないからな。
しかし、地球防衛軍の兵器体系(ウルトラホークやハイドランジャー、マグマライザー)など他のシリーズから頭一つ抜き出ている。
ストーリーが、SFだ。科学的考証をしっかりさせて
このストーリーで今の技術で作りなおすと面白いものができると思う。

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2012年3月23日金曜日

帰ってきたウルトラマン 第01話 「怪獣総進撃」

帰ってきたウルトラマン
 
帰ってきたウルトラマン。このシリーズは初めてだ。
 このシリーズが作られたとき、世の中は「第2次怪獣ブーム」の最中だった。
 私自身は小学校の高学年だったと思う。そろそろ怪獣にも飽きていたころだった。

 このシリーズの世界観は、怪獣が普通に生息している世界で怪獣対策用の防衛チーム(MAT)も既にある世界。
 怪獣ザザーンとタッコングが争いながら海から出現する。
タッコング対ザザーン
 
タッコングが勝利しそのまま街を襲撃する。
 MATは、怪獣を攻撃するが、効果は薄い。主人公の郷秀樹は、子供と犬を助けようとして死んでしまう。
 今の目で見てしまうからなのか、特撮が印象が薄くそれに続いてしまうドラマ部分がシリアスなだけに安っぽく感じてしまう。
 郷秀樹の勇敢な行動に感激したウルトラマンは死んだ郷秀樹と一体化して生き返らせる。
 かくして郷秀樹はウルトラマンに変身する能力を身につけてMATに入隊することになる。
 本多猪四朗監督だったはずなのだが。この人は群衆(モブ)を撮らせたらうまいんだけどね。
 と思っていたら、出てきましたモブシーンが。
 山の中から怪獣アーストロンが出現して、村人が避難するシーン。この人は東宝の特撮映画でもそうなんだけど、田舎の避難シーンばっかりだな。
 お約束の誰かが逃げ遅れて、それを危機一髪で助け出すシーンなんかもあるんだけど、どうもスペクタルが足りない。
 アーストロンはゴジラ似の怪獣だ。
 ウルトラQの『ゴメス』、ウルトラマンの『ベムラー』に続き、第一話にはゴジラ似が多いなぁ。
 ここで、郷秀樹はウルトラマンに変身しアーストロンと戦い、これを倒す。
 最後は、お約束のスペシューム光線だ。
 30分番組の中に3体も怪獣を出現させて、2体を潰してしまうなんて、サービス精神が大盛なんだけど詰め込みすぎって感じ。

アーストロン(ソフビ)
 

 突っ込みどころとしては、
 誰でも思っていると思うけど、スペシューム光線が有効ならなんで最初から出さないの?
 MATアロー(戦闘機)でロケット弾攻撃をするとき、『発射』って言ってからじゃないと発射できないのかな?
 隊員が身につけている光線銃が、MATアローのロケット弾攻撃よりも強力なのは何故?
 ってくらいかな。

 ともかく30分で、なんとかまとめたのは、子供番組としては及第点なのかもしれないな。


2012年3月21日水曜日

黒部の太陽

 石原プロダクションが、と言うよりも、故石原裕次郎が独立するときに苦労して造った映画である。
大作を作ろうというので勢い込んでいるのがよくわかる。  5社協定の枠に苦しめられ、それにともかく金が無かったそうである。それでもこれだけの映画を作ってしまうのだから凄い。
 そんな想いもあってかこの映画は、映画館の大スクリーンで見て欲しいのでテレビ放送はしないと言っていたのだが気が変わったのかもしれない。
 そんなわけでこの映画が観れる。  出演は、三船敏郎、石原裕次郎、辰巳柳太郎、高嶺峰子、滝沢修、樫山文枝、日色ともゑ。  その他オールスターキャスト。
  大作だ。  電力の安定供給を図る為、関西電力が黒部渓谷にダムを造ろうと計画する。
  そのためには、資材などを運ぶトンネルを掘らなければならない。
 黒部渓谷は日本列島のフォッサマグナ(大地溝帯)にあたっておりトンネルを掘るのに多大な困難が予想される。
 ストーリーは割愛するが、登場人物は皆、善人……とはいえないが、少なくとも全員、不屈の人である。
  大作に付き物の国威発揚的な匂いもどことなく漂う。
  でも、こういう映画は、基本的に好きだ。
  橋本忍先生の脚本も生きている。  この頃は、橋本先生も大丈夫だったんだろうな。
  難をいえば、トンネル技術に関する説明がほとんど無いこと。
  土木積算のアプリケーションを作成したことがあったのでわかったが、素人にはわからないだろう。
  関西電力や、熊谷組や間組などが全面協力しているようであるが、観客も動員を掛けたんだろうな。だから説明が無くてもわかるんだろう。
 小学校3年くらいのときオンタイムでこの映画を観た。  何か凄いなと思ったけど、当時は意味はよくわからなかった。
 確かに、見る価値はあると思うよ。

エンド オブ ザ ワールド

 『エンド・オブ・ザ・ワールド (On the Beach) は2000年にオーストラリアで制作されたテレビ映画。ネビル・シュートの『渚にて』の映画化。
にこにこ動画で鑑賞。映像が粗いが、鑑賞に耐えうる。
実は、 渚にて』は、前の映画も小説も読んでない。
 ので……
 軽々しく論評出来ないのであるが。個人的には非常に感動した。
 想像できるだろうか。核戦争後の世界を。静かに滅んでいく世界を。
 本当は、もっといろいろなパニックがあって、こんな静かな終わり方は出来ないのだろうけれども、あえてそれを抑えた演出で描く。
 核戦争の原因らしいことはテレビのレポートなどで表現されているが、完全には突き詰めてない。
 重要なことは、主人公の一人である、アメリカの原子力潜水艦の艦長は、核ミサイル発射の命令が来ても発射ボタンを押さなかった。ってこと。
 登場するすべての人間がエゴを持っていて、そのエゴを抑える心理が働くってこと。
 突っ込むべきところはたくさんある。
 北半球が滅亡しているのに、食糧問題が起こってないことや、最後まで交通機関が生きていることなどがあるけど、それらは瑣末(さまつ)なことだと思う。
 これは、人間のドラマだ。本当に想像できるだろうか。明日には放射能の風が吹いてきてメルボルンも滅亡してしまう。という恐怖を……
 にこにこ動画ではコメント(突っ込み)が入れられるようになっているけど、
 見当違いや、ドラマ進行のうざさを入れているものが多い。
 まったく、腹が立つ。面白くなければ見なければいいのだ。
 それに、堪え(こらえ)性がない。
 って、コメント外して観ればいいんだけどね。

 アメリカ海軍潜水艦の艦長、オーストラリア海軍の連絡将校の大尉。その建築家の妻。その姉の奔放な女性(モイラだったかな)
 モイラの元恋人のの著名なマイナス思考(現実直視型?)の博士。
 この4人が主役だろう。
 その、それぞれに葛藤があり、ドラマがある。
 読み取れただろうか?

 コメントを入れている奴が100%とは言わないが(遊び半分の奴が90%)、まともにドラマを鑑賞できる能力がある奴は何%くらいだろう。
 そっちの方面で、日本は滅びそうな気がしてくる。

ウルトラセブン 第4惑星の悪夢



ウルトラセブンが最後に出てくるけど、別にセブンが出てこなくても十分面白い。
今回は完全なハードSF仕立て。
ダンとソガが選ばれて、宇宙探査船『スコーピオン』号で外宇宙探査に出かける。
ほとんどが自動操縦で、パイロットはほとんど寝ていて良いということで2人は睡眠に入る。
『スコーピオン』号は予定のコースを外れて、着いたのは、地球にそっくりの第4惑星。
そこでは、ロボットが進化して人間は怠け者になり、ついにロボットに支配されるに及んだ。
人間は、ロボットから迫害され、居住区に押し込められて次々に処刑されていく。
そして、資源としての人間(そういう視点もあるんだって、考えさせられた)を求めるため、今度は地球に侵略部隊を発進させようとしている。
それを阻止する、ウルトラセブン。

って、話。
よく出来ている。
星占いに凝るソガ隊員や、天気を占う下駄シーンで明るく終わらせるエンディング。
 などなど。細かいところにも結構気が入っている。
 ずっと、この気概で作品を作れば良かったのに。やっぱ、子供相手の番組だったのでハードSFは基本的に無理なのか。
 でも、この回は良かった。
 他のウルトラシリーズとは一線を引いているところだろう。

 新鮮なのは、ウルトラセブンが巨大化して、建物を壊し始めるところかな。敵の基地を壊すんだから当たり前なんだけど、正義の味方のセブンが建物を壊したりするのは滅多にみられない。
 また、地球と同じ様な別の惑星の話という設定なので普通の風景がなんだか新鮮に映る。

 オンタイムで観たときは、つまらんと思っていたけど、こうやって見返してみると
 この回は、ウルトラセブンの中で、秀逸だと思う。

2012年3月20日火曜日

ウルトラQ 鳥をみた

ラリゲウスです。公証は45mの大鳥です。

 大鳥、ラルゲリウスが出てくる回。
 これは、メルヘンチックだった。やっぱ、このシリーズは記憶が曖昧だ。
 この回はメルヘンに徹している。
 孤独な少年と、小鳥(文鳥)に変身しているラルゲリウスが心を通わせるというメルヘン。
 話としてもよく作られている。
 特撮は、他の映画(ラドンなど)の流用で、留置所に入れられたラルゲリウスが巨大化するところくらいしかスペタクル場面はない。
 だけど、4次元世界を通って、ラルゲリウスが出現するなど、まったく科学考証無視なのが良い。
 海に落ちた文鳥姿のラルゲウスを少年が助ける場面なんか、無意味に感動してしまう。
 しかし、あの文鳥が溺れる場面って、本当に文鳥が溺れているように見えるんだけど……

2012年3月19日月曜日

『分身』 WowWow

WowWowの連続ドラマ。4話完結。原作は東野圭吾。
なかなか面白かった。
長澤まさみの演技も結構良い。

少しネタバラシしないと、話がわからないからなぁ。
遺伝子が同じ女の子が2人いる。一卵性双生児ではない。クローン人間として生まれてきたのだ。
もちろん、日本では(世界でもか)違法。
1人は札幌で、1人は東京で育つ。
2人のDNAの主は、鎌倉にいた。
長澤まさみはこの3人を演じ分ける。特に、DNAの主、中年の女性は逸品だ。
自分が知らないところで生まれてきた、自分とそっくりな人間に愛情を持てない感情をうまく表現していると思う。気持ち悪いとまで言う。
いわれた方はショックだろうな。

これは、どうかな。あり得ない話だよね。
それを、最初はホームドラマのように、次にサスペンスドラマのように、最後はSFドラマのように展開させる。
でも、映像として表現したとき、なんか嘘くささが引き立ってしまう。
このあたりは、書籍の方が良いのかも……


ウルトラセブン 第04話 「マックス号応答せよ」


ゴドラ星人

ウルトラQ 第21話 「宇宙指令M774」に続いて思う。
この話ってこういう話だったんだ。
子供の時の記憶とだいぶ違う。
でもこの話の設定って突っ込みどころ満載で大笑いできる。
子供の頃は不思議に思わなかったのかしら……
視聴者対象年齢が前作「ウルトラマン」より上の世代を対象にしているらしいけど。

最初は、「極秘命令」によりアマギ隊員ともう一人(名前忘れた……射撃の得意な人)がある場所に行ってある人物の指揮下に
入れっていう命令を受ける。誰にも秘密に基地を出て行くようにってことなんだけど。
戦争スパイ物の雰囲気を出したいようだけど……
まず、おかしいのは次のシーンでポインター(地球防衛軍のパトロールカー)でダン隊員が2人を送っている。誰にも秘密に基地を出て行くようにって命令はどうなったの?
でもって、行った先は地球防衛軍の原子力戦艦「マックス号」、ある人物とは上司の参謀。ってこれって秘密でもなんでもない。
でも子供心にかっこいい雰囲気は感じるかも……
もう一人の隊員の名前、思い出した。ソガ隊員だ!
それでっと、船が行方不明になる海域へ捜索の為「マックス号」は赴くことになる。
ふんふん、なるほど……
で、「マックス号」はゴドラ星人の陰謀にはまり、宇宙空間へ飛ばされてしまう!?……
凄い、発想の飛躍がスゴイ。
海から宇宙空間ですよ。しかもゴドラ(ドゴラだったかな)星人の技術はワープを持っていないらしい。
星人の目的は地球防衛軍の基地を破壊すること。「マックス号」とどんな関連性があるのかな。
ともかく、女性に化けた星人の諜報員にウルトラアイを盗まれたり、フルハシ隊員に化けた星人により基地に爆弾を仕掛けられたりさんざんドラマはあるけど何とか乗り切って、ウルトラアイを取り返しダン隊員はウルトラセブンに変身する。
ここで注目は、ウルトラセブンが等身大で活躍するってこと。基地の中で爆弾を取り返すって設定なので仕方がないのかもしれないけど、星人の出現が一体ずつしか出てこない。これはたぶん着ぐるみを一体しか造ってないな。丸わかり。
ゴドラ星人さん、戦力の小出しは個別撃破されちゃうよ。ランチェスター戦略論を読んだほうがいいよ。
それでもフルハシに化けたゴドラ星人は、ポインターで逃げ出して基地の外で巨大化しウルトラセブンに挑む。
もちろんセブンも巨大化して、子供たちの期待にこたえる。
あの……巨大化する能力があるなら、個別に戦わないで全員で巨大化して戦えばセブンを倒せると思うんですけど……
実は、ウルトラセブンの第一話は、巨大化しなかった。だから子供たちの期待を裏切ったため視聴率を心配したテレビ局がテコ入れしたらしい。
いつも思うんだけど……。このゴドラ星人とか、バルタン星人とかは、本当に地球より科学が発展してるのかなぁ。
だって、あのカニ手だよ。あれで機械とか作るのはそうとう大変じゃないかな。数かぞえるのも2進数だろうから、足し算するにも桁上がりが多すぎて横にずっと広がっていくよ。
ともかく巨大化したゴドラ星人を倒して、セブンは宇宙空間のマックス号を救出にいく。
セブンは等身大に戻って、船内のドゴラ星人を個別撃破していく。
大笑いなのはここから……
船内に爆弾を仕掛けたから、脱出するためにウルトラセブンが引き綱を握って、隊員たちを宇宙空間へ引いていく、ってあんた!
誰も、摩擦熱とか宇宙線とかを考えなかったのかなぁ。地球には帰還出来なかったっておもわれる。
ともかく、見どころ満載、突っ込みどころ満載でした。
同じ時代のアメリカのテレビ映画「原潜シービュー号」なんかに比べると科学考証は格段に落ちるけど、やっぱりあの頃はウルトラセブンは面白かった!!

ダイ・ハード3




ダイハードシリーズの3作目。
アクション映画としては、このシリーズは好きだな。
私が感覚が古いのかもしれないけど、ダイハード3は1995年の作品なんだね。3作目で結構古かった。
ダイ・ハード4.0が2007年なので間隔が空いてしまってるようだ。
アクション映画の基本はこれかもしれない。タフなガイが優勢な敵を相手に危機に陥り最後には勝つ。
今回は、刑事ジョン・マクレーンをブルース・ウィリスが演じている点では変わらないが。
まぁ、あらすじを……

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ニューヨーク市内で突如爆弾テロが発生。「サイモン」と名乗る犯人は警察に電話し、ジョン・マクレーンを指名する。
嫌がらせの様に、黒人達が多く住むハーレムのど真ん中で、「黒ん坊は嫌いだ(I hate Niggers)」というカードを下げさせられたマクレーンは、自身が白人である事も災いし、当然それを見た黒人ギャング達に半殺しにされかける。しかし、その近くで店を経営する黒人の男・ゼウスに助けられ、それを知り、面白くなかったサイモンの指示によって、二人は行動を共にする事になる。
第2、第3のテロを防ぐためマクレーンと巻き添えを食らったゼウスの二人は、犯人の要求にニューヨーク中を奔走させられる。やがて電話の男はマクレーンがかつてナカトミビル事件(1作目)で殺した主犯・ハンスの兄だと判明する。犯人の目的は殺された弟の復讐かと思われたが・・・・。

監督は第1作と同じジョン・マクティアナンである。第1作『ダイ・ハード』では高層ビル、第2作『ダイ・ハード2』では空港と限られた場所を舞台にしていたが、この第3作ではニューヨーク全体が舞台で、街中を駆け回る内容になっている。特にセントラルパーク内をタクシーで走り回るシーンは圧巻である。また、主人公と一緒に行動する相棒がいる、犯人に脅迫されて行動する、舞台は前2作が冬の夜間であったのに対し今作は真夏の昼間である

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まぁ、あまり解説の必要はないね。
アメリカン・ヒーローアクションばんざい!!

下町ロケット


あまり聞かないタイトルだと思っていたら、WowWowの製作したテレビドラマだった。
尚且つ原作は、第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞作品。池井戸潤さんって方。
なんていうかな。割りと面白かったって感じ。タイトルから想像していたのと少し違ったけど。
でも良く考えてみるとこちらのほうが、常識的だよね。
考えてしまっていたのは、下町のオヤジたちが集まって宇宙ロケットを組み上げて、打ち上げに成功する。それまでの間のさまざまな葛藤を描くってことだったんだけど……
よく考えてみると、そんなこと現実的には無理な話だからね。
それで、あらすじは……

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「その特許がなければロケットは飛ばない――。
大田区の町工場が取得した最先端特許をめぐる、
中小企業vs大企業の熱い戦い!
かつて研究者としてロケット開発に携わっていた佃航平は、
打ち上げ失敗の責任を取って研究者の道を辞し、
いまは親の跡を継いで従業員200人の小さな会社、
佃製作所を経営していた。
下請けいじめ、資金繰り難――。
ご多分に洩れず中小企業の悲哀を味わいつつも、
日々奮闘している佃のもとに、ある日一通の訴状が届く。
相手は、容赦無い法廷戦略を駆使し、
ライバル企業を叩き潰すことで知られるナカシマ工業だ。
否応なく法廷闘争に巻き込まれる佃製作所は、
社会的信用を失い、会社存亡に危機に立たされる。
そんな中、佃製作所が取得した特許技術が、
日本を代表する大企業、
帝国重工に大きな衝撃を与えていた――。
会社は小さくても技術は負けない――。
モノ作りに情熱を燃やし続ける男たちの
矜恃と卑劣な企業戦略の息詰まるガチンコ勝負。
さらに日本を代表する大企業との
特許技術(知財)を巡る駆け引きの中で、
佃が見出したものは――?
夢と現実。
社員と家族。
かつてロケットエンジンに夢を馳せた佃の、
そして男たちの意地とプライドを賭した戦いがここにある。

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アマゾンの書評より引用させていただきました。
まぁ、要するに佃社長が夢を継続するために研究を続けていたエンジンバルブの特許が、
たまたま宇宙ロケットを打ち上げようとしていた技術の特許を取っていたために起こるさまざまな
困難と駆け引きを佃社長の身になって丹念に追っていく。ちなみに最後はハッピーエンド。

忘れられない言葉があります。
「会社は2階建てのバスのようなもの。1階は現実的でシビアーなフロア。でもそれだけじゃあ面白くない。2階は夢やロマンを追うフロアー」

未見の方はご覧になってください。

グリーン・ベレー




ベトナム戦争をアメリカ側から肯定的に見た唯一の映画かもしれないな。
ジョン・ウェインは相当の国粋主義者らしいし、強烈な愛国者のようである。
映画は、ベトナムの内戦にアメリカが介入する必要があるのかと質問する新聞記者にグリーンベレーの隊員が鹵獲した武器を見せる。中国製のライフル。ソ連製の突撃銃。チェコスロバキアの弾丸など……。どれも共産主義国がベトコンを援助している実態を晒してみせる。
次に、南ベトナム北部ベトコンの勢力圏内に築かれた米軍の基地に配属され、果敢に戦う姿が描かれる。
ここに描かれるベトコンや北ベトナム正規軍は、非常に残虐な姿になっている。
時々思うけど、主義主張が違うと描き方も当然違うけど、単純に観ていると凄く正統的に見えてしまう。
この辺りは、凄くうまい。映画というプロパガンダの怖さをおもわず感じてしまう。
最後の一時間は北ベトナム軍の将校を拉致するため極秘裏に動くグリーンベレーの活躍を描く。
しかし…… この映画全体として戦闘シーンに迫力がない。
普通、ベトナム戦争を舞台にするならフィリピンとかタイにロケをするのだろうけど、この映画はアメリカ国内で撮影している。
その為、ジャングルであるべき森が明らかにアメリカの森であったり、ベトコンがすべて顔を隠した状態で白人が演じているのが丸わかりだったりする。もう少し何とかならなかったのかしら…… 。
この映画が作られた1968年はベトナム戦争が一番ピークに達した年でもあったようだ。
アメリカは1973年にベトナムから撤退し1975年には北ベトナム軍のサイゴン突入によりベトナム戦争は終結する。

以下はWikipediaより。
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本作の主題は、反共主義と南ベトナムにおけるアメリカ軍の肯定的プロパガンダである。 本作が制作された1968年はベトナム戦争に対するアメリカの介入が頂点に達し、後にベトナム戦争最大の戦いとも言われたテト攻勢のあった年である。ジョン・ウェインはアメリカ国内で盛り上がる反戦・厭戦の雰囲気と社会的不満に反対する形で、この映画の製作に踏み切った。ウェインは常にベトナム戦争に対するアメリカの介入を支持する立場にあり、この「グリーン・ベレー」をベトナムで戦う兵士達に対する敬意として示そうとした。彼は製作にあたり、アメリカ陸軍の完全な協力を当時の大統領リンドン・ジョンソンに要請し、それを得る事に成功している。また、撮影に当りウェインは映画の共同制作者となった為、主人公ライズマン少佐役としてオファーされていた特攻大作戦への出演を断った。
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『アビス』 ジェームスキャメロン



今度は近代的なSF映画。
古典的SF映画の『巨大生物の島』を観た後だったのですごく新鮮だった。
ハリーハウゼンが古いわけじゃないよ。それはそれで味がある。
でもジェームスキャメロンの御都合主義もいいな。これぞSFって感じ。

以下はWikipediaより。
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ジェームズ・フランシス・キャメロン(James Francis Cameron, 1954年8月16日 - )は、カナダ出身の映画監督、脚本家、映画プロデューサーである。左利き。身長188cm。
大学を中退し、惚れ込んだ地元のカフェのウェイトレスと結婚、小さな家に移り住む。トラック運転手などをしていたが[2]、1977年に封切られた『スター・ウォーズ』を見て仕事を辞め[3]、再び映画制作に没頭する。そして友人と共に1978年、35ミリの短編SF『Xenogenesis』を制作する。この短編がきっかけとなりロジャー・コーマンのニュー・ワールド・ピクチャーズに入る[2]。
監督デビュー
いくつかの作品を手伝ったのち、『殺人魚フライングキラー』を監督するが、周囲の無理解と低予算に苦しめられ、作品も不本意なかたちで上映されてしまう。しかし、失意のどん底で作り上げた低予算のSFアクション映画『ターミネーター』が世界中で好ヒットを記録。世界の映画ファンにその存在を知られることになる。その後、『ターミネーター』のヒットを受けて制作を依頼された『エイリアン2』が、また大成功を収め、全世界で1億8000万ドルの興行収入をあげる。途中、深海を舞台にしたSF映画『アビス』で不振に悩まされるも、1991年、自身が監督した映画『ターミネーター』の続編『ターミネーター2』が大ヒットして、全世界で5億6000万ドルの興行収入をあげる。
さらに1997年、アカデミー賞11部門を受賞し、自身もアカデミー監督賞を受賞した『タイタニック』が世界映画史に残る大ヒットを記録。2009年には12年振りの劇場用監督作品となる3D映画『アバター』でその興業収益記録を自ら更新する事になった。全世界の歴代興行収入、そしてアメリカ国内の歴代興行収入は1位が『アバター』、2位が『タイタニック』となり、同じ監督による1位2位という偉業を成し遂げた。
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『アビス』って興行的には不振だったんだね。
面白い話だと思うんだけどな。キャメロンにとってみたら地味だったかもしれない。
でもいろいろな仕掛けがあって楽しいSFだと思うんだけど……。アクションSFとしての派手さは無いけどいろいろと御都合主義に
理由付けがされていて壮大な嘘話になっている。SFの基本は嘘話だと思うよ。それをいかに本当らしく見せるかってことだと思うけど……
最近のハリウッドSFはSFアクションとCGが主流になっている。
もう少しSFらしいSFが観たい。

SF巨大生物の島



久しぶりに古いSFを観たぞって感じ。
ストーリーだけ追うと。
時は南北戦争リッチモンド攻防戦の頃、仕掛けの1番目は気球ですな。
南軍の捕虜収容所に捕らえられていたハーディング大尉の北軍捕虜達が嵐の夜に気球を奪って空へ逃げていった。
気球は制御を失い、アメリカ大陸を西へ西へと移動しついに太平洋に出て絶海の孤島に不時着する。
いいですね。SF的な滑り出しです。
食料を探したところ巨大な牡蠣(かき)や蟹(かに)などが見つかる。本当に蟹と戦う場面などがあるハリーハウゼンの真骨頂ですね。これに嵐で遭難したイギリス貴婦人とその姪などの女性陣が加わる。
前半はロビンソンクルーソー張りの、サバイバルの様子を描き出す。
いろいろな巨大生物が現れるんだけど、その中で巨大な歩行性の鳥が出てくるんだけどこれはたぶんハリーハウゼンのお遊び。
後半にノーチラス号にネモ艇長が現れて、海賊を退治してくれる。
海底の都市遺跡などいろいろサービスしてくれるが島の火山が爆発して島が沈むか船を引き上げて脱出するかのサスペンスもある。
最後に出てくる巨大生物は巨大なアンモナイト。うれしいね。
ジュール・ヴェルヌの冒険小説「神秘の島」が元になっているらしいけど、1962年の段階でこのSFクォリティは素晴らしいと思う。

私は貝になりたい



私は貝になりたい。
正直このVIDEOを観ながら何回涙が落ちただろう。
妻が帰省中でよかった。
近年にない秀作だと思う。
特に中居 正広の鬼気迫る演技がいい。
これほどの演技だとは思わなかった。
物語そのものは、昭和36年のテレビドラマのリメイクである。
脚本は、橋本忍先生のものをそのまま使っているのか、少しは脚色されているのかは
わからないが、意図せずBC級戦犯になってしまった男の悲劇の物語である。
タイトルは、その男が絞首刑になる直前に書いた家族に宛てた遺書の中の言葉である。

ザ・グレート・レイド(2005米豪)




諜報戦争って副題はまったく見当違い。
っていうか、製作者サイドに失礼すぎる。
話は、アメリカ陸軍史上最大の捕虜収容所の解放作戦で史実である。
こんな副題を付けたのは、舞台がフィリピンで敵役が日本軍だったので日本の配給会社
が慮ってこういう副題を付けて内容を糊塗しようとしたんだと思う。
しかし、いずれにせよ評判になれば内容はわかってしまうじゃん。
ヒットするとは思わなかったのかしら。
歴史的な背景としては、太平洋戦争が勃発してすぐに日本軍は、当時アメリカ軍
の保護下にあったフィリピンを攻撃し、総司令官のマッカーサーをオーストラリア
に追い出す。
残ったアメリカ軍は、バターン半島に追い詰められ降伏する。
有名な、「バターン死の行進」という捕虜虐待事件があって捕虜たちはフィリピン
各地の捕虜収容所に収容される。
3年後アメリカ軍は、フィリピンに再上陸して日本軍を次々と駆逐していく。
そんな中で、マニラの日本軍司令部は米軍捕虜の後始末を各収容所に命じる。
ストーリーは3つのパートに分かれる。
1つは、攻撃するアメリカ陸軍の部隊の視点。
もうひとつは、収容所内のアメリカ軍捕虜の視点。
そして、3つ目は収容所内の指揮官を恋人に持つアメリカ人看護師のレジスタンス
闘士としての視点である。
特に、3つ目が興味深い。ここの部分はたぶんにイタリアのネオリアリズムを
念頭に置いた演出だと思う。
簡単な調査で銃殺される人々と密告。その緊迫感。
2つ目の視点は、救出されるぎりぎりのところまでの収容者たちの絶望感である。
こちらは、割と間延びした演出だけど、それにより逆に緊迫感を増す結果となり
成功している。
1つ目の視点は軍隊内の作戦立案とその実行で、さまざまな要素のドラマはあるけれど
全体としては、アメリカ映画らしい格好良い演出。
ともかく、さまざまな要素が絡み合って戦争映画としては及第だと思う。
配給会社が危惧したであろう、日本軍は徹底的に悪役である。それと戦車やトラックなど
物量を持っているように描かれているが、この時期のフィリピンにおける日本軍は
青息吐息で、これはたぶん演出だと思う。

ウルトラQ 第21話 「宇宙指令M774」


宇宙エイ:ボスタング

この話ってこういう話だったんだ。
子供の時の記憶とだいぶ違う。
最初に、主人公3人(星野航空のパイロット二人と新聞社の女性記者)が優雅に船旅。
そこへ、隕石に乗った怪獣ボスタングが海に飛来する。
女性記者へ正義のルパーツ星人からメッセージが届く。
悪のキール星人が放った怪獣ボスタングが地球に潜入したので警戒するようにと。
笑い飛ばしたパイロット2人だが、自分たちもセスナで航行中にルパーツ星人の警告を受ける。
その、顛末が面白い。ルパーツ星人は飛行中の二人をどんな方法でか深い森の中へ転送し、
セスナは自動操縦で空港に着陸させ女性記者を驚かせる。
森の中で迷っていた二人は、一軒の喫茶店(深い森の中ですよ)を見つけ中に入ると
コーヒーの香りが立ち込めていてミュージックボックスが勝手に動いて音楽が流れるか
と思ったら、ルパーツ星人の警告が流れる。
そして、自分も地球に潜入してボスタングと戦うという。
実際に、円盤に乗ってルパーツ星人はやってきて、円盤から降りて海の上を歩いて地球に上陸する。
指定された場所(図書館)に行くと、地球人の女性に扮したルパーツ星人がいる。
ボスタングは、彼女が指定する本に詳しく載っている。それはまるで巨大なエイだった。
終盤は、防衛軍の軍艦とボスタングの戦いだが、これはまったくしょぼい。
第一、ボスタングが情けない。彼はまったく巨大なエイというだけで何かしら兵器を持っている
わけではない。
海の中を泳ぐだけで空を飛ぶわけでもない。
これに対して、軍艦も情けない。ボスタングが音に反応するからといって、
エンジンを切ってボスタングとにらみ合う。その緊迫感で間を持たせている。
ルパーツ星人も何もするわけではない。
救援のジェット戦闘機隊が現れて、ミサイル攻撃でボスタングは破壊される。
(実際に爆破される:弱っちぃ)
ルパーツ星人はルパーツ星人で、自分の使命は終わったので(あんたが何したってんだ)
これからは地球人として暮らすという。
地球には彼女と同じように地球を守るために派遣された宇宙人たちが一杯いるそうだ。

30分、実質には22~3分で完結しなければならないのでいろいろと道具立てをした割には、
まとめ切れなかった感があるが、
それにしても、怪獣はもう少し何とかしようがあったろうに。
ウルトラQとしては珍しく正統的な怪獣ものを作ろうとして失敗している。

バタフライエフェクト2


 これは、運命を選択することができる男の話である。
 う~ん、もっと正確に言うとしくったいき方を自覚すると、その分岐点まで戻ってやり直すことができる能力を持った男の悲劇の物語である。
 前作のバタフライエフェクト1では何とかハッピーエンドに持っていったのに、今回はどこまで行っても悲劇である。
 この男がどんな選択をして、よくしようとしても、もがけばもがくほど悲劇に繋がっている。
 つまり、どんな選択をしようとも運命は変えられないってことになる。
 途中で母親が出てきて、彼の父親も同じような 能力 を持っていて運命をコントロールしようとしたが失敗した。
 と示唆的に出てくるが、はっきりしたものではない。
 ともかく、彼はどの運命を選択しても自分は幸福になれない。
 結局、彼は不幸な自動車事故で死んでしまい、彼の子供が彼と同じ 能力 を持っていると示唆して終わる。
 運命は、コントロールできないってことか。