2012年3月21日水曜日

黒部の太陽

 石原プロダクションが、と言うよりも、故石原裕次郎が独立するときに苦労して造った映画である。
大作を作ろうというので勢い込んでいるのがよくわかる。  5社協定の枠に苦しめられ、それにともかく金が無かったそうである。それでもこれだけの映画を作ってしまうのだから凄い。
 そんな想いもあってかこの映画は、映画館の大スクリーンで見て欲しいのでテレビ放送はしないと言っていたのだが気が変わったのかもしれない。
 そんなわけでこの映画が観れる。  出演は、三船敏郎、石原裕次郎、辰巳柳太郎、高嶺峰子、滝沢修、樫山文枝、日色ともゑ。  その他オールスターキャスト。
  大作だ。  電力の安定供給を図る為、関西電力が黒部渓谷にダムを造ろうと計画する。
  そのためには、資材などを運ぶトンネルを掘らなければならない。
 黒部渓谷は日本列島のフォッサマグナ(大地溝帯)にあたっておりトンネルを掘るのに多大な困難が予想される。
 ストーリーは割愛するが、登場人物は皆、善人……とはいえないが、少なくとも全員、不屈の人である。
  大作に付き物の国威発揚的な匂いもどことなく漂う。
  でも、こういう映画は、基本的に好きだ。
  橋本忍先生の脚本も生きている。  この頃は、橋本先生も大丈夫だったんだろうな。
  難をいえば、トンネル技術に関する説明がほとんど無いこと。
  土木積算のアプリケーションを作成したことがあったのでわかったが、素人にはわからないだろう。
  関西電力や、熊谷組や間組などが全面協力しているようであるが、観客も動員を掛けたんだろうな。だから説明が無くてもわかるんだろう。
 小学校3年くらいのときオンタイムでこの映画を観た。  何か凄いなと思ったけど、当時は意味はよくわからなかった。
 確かに、見る価値はあると思うよ。

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