2012年3月19日月曜日

グリーン・ベレー




ベトナム戦争をアメリカ側から肯定的に見た唯一の映画かもしれないな。
ジョン・ウェインは相当の国粋主義者らしいし、強烈な愛国者のようである。
映画は、ベトナムの内戦にアメリカが介入する必要があるのかと質問する新聞記者にグリーンベレーの隊員が鹵獲した武器を見せる。中国製のライフル。ソ連製の突撃銃。チェコスロバキアの弾丸など……。どれも共産主義国がベトコンを援助している実態を晒してみせる。
次に、南ベトナム北部ベトコンの勢力圏内に築かれた米軍の基地に配属され、果敢に戦う姿が描かれる。
ここに描かれるベトコンや北ベトナム正規軍は、非常に残虐な姿になっている。
時々思うけど、主義主張が違うと描き方も当然違うけど、単純に観ていると凄く正統的に見えてしまう。
この辺りは、凄くうまい。映画というプロパガンダの怖さをおもわず感じてしまう。
最後の一時間は北ベトナム軍の将校を拉致するため極秘裏に動くグリーンベレーの活躍を描く。
しかし…… この映画全体として戦闘シーンに迫力がない。
普通、ベトナム戦争を舞台にするならフィリピンとかタイにロケをするのだろうけど、この映画はアメリカ国内で撮影している。
その為、ジャングルであるべき森が明らかにアメリカの森であったり、ベトコンがすべて顔を隠した状態で白人が演じているのが丸わかりだったりする。もう少し何とかならなかったのかしら…… 。
この映画が作られた1968年はベトナム戦争が一番ピークに達した年でもあったようだ。
アメリカは1973年にベトナムから撤退し1975年には北ベトナム軍のサイゴン突入によりベトナム戦争は終結する。

以下はWikipediaより。
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本作の主題は、反共主義と南ベトナムにおけるアメリカ軍の肯定的プロパガンダである。 本作が制作された1968年はベトナム戦争に対するアメリカの介入が頂点に達し、後にベトナム戦争最大の戦いとも言われたテト攻勢のあった年である。ジョン・ウェインはアメリカ国内で盛り上がる反戦・厭戦の雰囲気と社会的不満に反対する形で、この映画の製作に踏み切った。ウェインは常にベトナム戦争に対するアメリカの介入を支持する立場にあり、この「グリーン・ベレー」をベトナムで戦う兵士達に対する敬意として示そうとした。彼は製作にあたり、アメリカ陸軍の完全な協力を当時の大統領リンドン・ジョンソンに要請し、それを得る事に成功している。また、撮影に当りウェインは映画の共同制作者となった為、主人公ライズマン少佐役としてオファーされていた特攻大作戦への出演を断った。
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